プリマックス

「谷仮面」、「エアマスター」、そして「ハチワンダイバー」と、独特かつ強烈な世界観を描いてきた柴田ヨクサル氏が原作に挑戦した本作のテーマは何と「男の娘」。

どこにでもいそうな平凡な(ただルックスは良い)高校生がツチノコをゲットして一億円を手に入れ、その財力をきっかけに友人を文化祭の出し物に誘ったことがきっかけで、物語が進んでいきます。

もっとも文化祭の「余興」とは言え、彼らは超本気でレッスンをこなしていき、言いだしっぺの内森モン太に引っ張られる形で踊りに挑戦しているツバメや武雄も、究極の「カワイイ」自分のイメージが降ってきて、「カワイイには性別は関係ない」、「カワイイは作れる」という理念を共有してさらに踏み込んでいくことになりました。ハードな部活をやっているのに過酷な減量を自らに課し、より「カワイイ」自分になろうとするツバメたちの姿は、急速に女の子としての良さを体得していき、ついに文化祭で喝采を浴びるに至りますが、彼らはこれで終わらず、さらなる「カワイイ」を目指していくことにもなります。

格闘技や将棋のような世界と違って、なかなか「勝敗」が見えにくいエピソードもありますが、だからこそ逆に内面的と言うか、憧れの自分になるための凄まじい努力が浮き彫りになるものがあり、読んでいても熱く萌えていける感じがありました。

また、ゴツゴツしたヨクサル流の展開に彼らのエネルギーの強さがうまくハマり、他のアイドル系、芸能系漫画とはまた違う良さが出ているようにも思えました。