カント・アンジェリコを読んで、音楽がもたらす誘惑を知った
作家高野史緒が書いた小説カント・アンジェリコ。 この本は中性のヨーロッパを舞台としており、音楽の世界にとりつかれた歌手の苦悩が書かれています。 この小説は装飾的な文体が用いられており、光や音を連想させるキーワードを多用している文章を見て、思わず目がクラクラしてしまいました。 途中で電話という小道具が用いられ、独特の会話が交わされる場面があり、一般的な中性の外国を舞台にした歴史小説とは少し趣きが違うように思いました。 また途中で生物学的な考察や作用反作用の法則の下りが書かれているので、一種の理科系小説を読ん... Read More