小説「音叉」を読んで

私が最近読んだ小説は、髙見澤俊彦著の「音叉」です。
昨年からオール読物に不定期連載された小説が、今年7月13日に単行本として発売されました。
初小説とは思えないくらいの内容です。ネタばれしない程度にあらすじを書きます。
主人公風間雅彦は、友人と組んだバンドでデビューの話しが持ち上がっています。
でもデビューの為にある条件を出され困惑する場面から始まります。1973年頃の実際起きた事件を取り入れながら、雅彦を取り巻く女性達との恋愛も挟んだ青春ストーリーです。男女との恋愛シーンがあると言う事はと思い、どう描くのだろうと恐る恐る読み進めました。
そしてその文章を読みました。意外にもあっさりと綺麗に、纏めていました。私は半ばホッとしました。
後でオール読物8月号の林真理子さんとの対談で、「女性とのシーンにまだ照れがある」「ファンもいるから、そこまで書けないのが辛いでしょうけど。」と仰っていました。髙見澤俊彦さんは「ファンを意識したわけではなく、自分の照れです。」と仰いました。
照れがあったと言う事は、もっと突っ込んだ内容にしようとして、止めたのだと思いました。後、ミュージシャンらしい表現として、「頭の中で歪んだAの弦が共鳴する」と言った感じのたとえ方をしている所が新鮮でした。単行本にはスピンオフの短編も掲載されています。
実際起きた事件の一つに、三菱重工ビル爆破事件も加味されています。
私は小説を読んで、初めてそんな事件があった事を知りました。この事件で何がどうなるのかは、是非読んでみて下さい。